自称進学校回顧録1

 前回から続いて、高校へ進学したときのことを書いていきます。

私は偏差値63ほどの公立高校へ進学しました。

 

受験時代はその高校が第一志望だったため、やっとの思いで合格した分嬉しさが溢れていたのを覚えています。

 

私の中学は大変荒れていたため、何か底辺から這い上がっているような気分になりました。

 

「このまま勉強していい大学を目指そう!だって進学校だし!!」

 

当時の私はこのような感覚でいました。

塾の先生からは難関だとか進学校だとか聞かされていたため、レベルの高い人たちが集まる環境に期待せずにはいられませんでした。

 

 

入学するとすぐに学力テストが行われ私の校内の順位がはっきりとします。

 

一学年300人のなかで200番台でした。

ここでレベルの差を実感した私はまず周りの人に追いつくことから始めなければならないと覚悟し、学力テスト返却の日、帰るその足でマナビスという映像授業の塾に話を聞きにいきました。

 

今思い返せば最初の罠はこれだったのでしょう。

 

 前回も書いたように自称進学校の生徒は入学時の段階においてはそこそこ学力があります。よって、入学したときの学力テストなどでは皆悪くない成績が出るため、成績を取れた人は余裕が出てしまい、取れなかった人は勉強に興味を無くします。

 

wija.hatenablog.com

 

私は逆にモチベーションを高め、勉強を始めたい意欲が湧き出していました。

 

しかしながら高校の勉強というものがよくわからず、塾の方に懇切丁寧説明していただいて全体像を掴んでいったのです。

 

 まず、大学には国公立大学と私立大学の二つに大きく分けられること、早い段階から志望校を決めた方が良いこと、まずは英語と数学から取り組むことなど、様々な情報を得ました。

 

そこで、一人暮らしがしたかったことと、レベルの高い大学を目指すため、とりあえず京都大学を第一志望に宣言し、勉強を始めたのです(当時は東大京大ぐらいしか知りませんでした)。

今から考えても志望校を決める時期が早かったことは良かったと思います。

 

先んずれば即ち人を制し、 後るれば則ち人に制せらる

(ザユウノメイ)

 

この言葉通り、早い段階から準備を始めることで大学受験は大変有利になります。

 

が、同時に自称進学校の洗礼を浴びることにもなるのでした。

 

 

 

 

to be continued...

自称進学校にご用心

なぜ入ってしまったのか

自称進学校という言葉をご存知でしょうか。

 

中途半端な学力水準を備え、大したことのない進学実績を出しながら、さも進学校のように振る舞う学校のことです。

大手予備校などが提示する偏差値では大体60前後の高校が多いです。

 

私もそのような自称進学校へ入学してしまいました。

今後は自称進学校で体験した出来事などを回顧録として示しておきます。

 

・高校への認識

 

皆さんは高校受験の際、何を基準に高校を選んでいたのでしょうか。

 

公立か私立か、家からの距離、友人の進路などもありますが

やはり一番重要なのは偏差値でしょう。

高校の偏差値というのは詰まるところ、そこへ入学する生徒が受験時に備えてる学力に依存します。

すなわち高校入学以降の学力は担保されないということです。

 

このことをどれだけの受験生とその親御さん方が認識できているのでしょうか。

このような高校に通う人はその多くが塾に通っていますが、塾は偏差値の高い高校にどれだけの人数を合格させるかということ以外興味がないので、その高校がどのような特徴を持つかを積極的に詳しく説明してはくれません。

あくまでも偏差値と入試の特徴のみです。

よって、偏差値だけに囚われてしまい、自称進学校に入学してしまう人が出てくるのです。

 

自称進学校のデメリット

自称進学校に進学することのデメリットは以下の点が挙げられます。

 

コスパが悪い

自称進学校はなまじ偏差値がある分、入学するためにはそれなりに勉強する必要があります。それなのに高校での授業はそのほかの高校と大差ないことが多いです。よって、そこまで苦労した分の恩恵が得られないことが多く、もっと楽に入れる高校に行ってもあまり変わらないでしょう。

 

・非合理的な指導

自称進学校にありがちなのが非合理的な指導の数々です。

よく見られるのが課題をたくさん与えたり、受験に必要のない科目まできちんと履修させたりすることです。

これらは生徒のやる気をすぎこそすれ、大学受験において良い影響を与えることはありません。近年は課題をこなすことの意義を検証し直す動きも出ており、徐々に改善しているようですが、いまだに量をこなすことが学力向上につながると勘違いしている昭和風の教師がいることも事実です。

また、進学校であるという位置づけならば、当然大学受験へ力を入れることでしょうが、受験に関係のない科目をきっちりとやらせるという矛盾したカリキュラムが組まれていることもあります。私の学校も美術や家庭科などの副教科が、高二まで残っていました。大学受験で真の進学校と戦うのですから、そのような力を分散させる行為は愚策でしょう。

結局、何に力を入れているのかがはっきりしないのです。私の高校は文武両道を目指していたようですが、進学実績は東大京大0、宮廷一工が年に一人か二人かという感じであり、武では同じ県内の上位進学校に地区大会でほとんどの部活が敗北していました。二兎追うものは一兎も得ずとはまさにこのことでしょう。何もかもが中途半端で終わってしまいます。

 

メリット

ここまで自称進学校のネガティブな面を挙げてきましたが、いい面もあります。

・校内の雰囲気が穏やか

公立中学では大変優秀な生徒がいる一方で警察のお世話になるような人もいます。よって、何かトラブルが起こることもしばしばあるでしょう。しかし、一度高校受験を挟むことで最低限のレベルの生徒が確保されるため、不良の類は一切いなくなります。

 

・勉強を妨害されない

学生のうちは基本的に学力に応じて民度が決まります。進学校の生徒さんは意識も高く、学生のうちから教養を備え、少なくとも最低限のマナーや気配りができる人が多いです。一方で、いわゆる偏差値の低い学校の生徒さんは基本的に遊ぶことを優先し、学業に真面目に取り組みません。それだけでなく勉強している人を謗ったり、足を引っ張るような言動が目立ちます。具体的には「うわwあいつ勉強とかしてるwww」「ガリ勉じゃんwww」という感じです。こういった雰囲気の中勉強を続けることは大変困難で、結局周りに流されてしまうでしょう。こういった心配が自称進学校では少ないです。一応進学校のように勉強する人も一定数いるため、勉強する人のやる気を削ぐようなことは言われないでしょう。自分の努力次第で難関大学に合格することも可能です。

 

自称進学校のスローガン「受験は団体戦

 

自称進学校は地域によらずこのスローガンを掲げていることが多いです。いうまでもなく受験とは自分が受かるかどうかの個人戦であり、他人と協力することはありません。逆に友達と一緒に勉強などは集中力や進捗スピードの差などからやめた方がいいレベルです。

しかしながら、自称進学校の教師は受験が団体戦であるようなことを平気で口にします。おそらくは雰囲気づくりなどのことを言うのでしょうが、受験のために静かな環境を作ることは当然のことであり、足を引っ張るようなことをするのが悪です。

高校生の皆さんはぜひ先生の口からこの言葉が出てくるかどうか確認してみてください。これが出るようなところは自称進学校です。

 

 

このようなことに気づくのが遅すぎた私は、濁った高校生活を始めるのでした。

次回以降私の高校生活について詳しく綴っていきます。

 

それではまた|ω・`)ノマタネー